インジケーター関数4「MACD」~ポテト争奪戦~
インジケーター関数4「MACD」~ポテト争奪戦~
についてお話ししますね。
MT4のMetaEditorでEAを作成するとき、
インジケーターの関数をよく用います。
具体的には、
インジケーターの関数が特定条件のときに
ポジションを持ったり、決済するというように
売買条件を作るとき特に活用します。
今回は、このインジケーターの関数を使った
プログラミングを学んでいきましょうね。
インジケーターの関数はたくさんありますが、
主要なものをいくつかピックアップして
解説します。
本記事では、MACD(移動平均収束拡散法)
(Moving Average Convergence Divergence)
を学びましょう。
裕-ひろ「ポテト買いに行こっか。」
にゃんこ「うん~。」
【今日の目次】
(1) マクドナルドへの誘い(いざない)
(2) ポテト争奪プログラム作成
(3) ポテト争奪プログラム実行
(1) マクドナルドへの誘い(いざない)
にゃんこ「今日もお散歩日和ニャ♪」
にゃんこ「ん?なんかいいにおいだニャ。」
にゃんこ「ああ、マクドナルドからか。
ポテトおいしそうニャ。
帰ってご主人様におねだりニャ♪」
にゃんこ「ただいま~。
おや?こ・・・このにおいは!?」
裕-ひろ「おかえり~。
マクドナルドのクーポン券もらったから
今日のお昼はハンバーガーとポテトだよ♪」
にゃんこ「わ~い♪もぐもぐ♪
・・・あれ、ポテトは1箱しかないニャ?」
裕-ひろ「大き目のサイズ買ったから2人で分ければ
良いと思ったけどダメだった?^^;」
にゃんこ「え~、ポテト好きだからたくさん食べたかったニャ。
よ~し、勝負で食べる量決めようニャ!」
裕-ひろ「おっけ~、その勝負のった!
じゃあ、勝負はこれで決めようか。」
(2) ポテト争奪プログラム作成
裕-ひろ「サイコロを交互に振っていって出た目
の数ずつ順番に食べるってのはどう?」
にゃんこ「おっけ~ニャ。あ、でもこの肉球じゃ
上手く振れないニャ^^;」
裕-ひろ「それならにゃんこの分も振ってあげるよ。」
にゃんこ「お~し、じゃあ、始めるニャ!」
・・・はい、ではにゃんこの分のサイコロを
振ったときの出た目を表示するプログラミング
をしましょう。
にゃんこ「絶対ポテトをたくさん食べてみせるニャ!
・・・じゃなくて、プログラムの内容を
もっと分かるように説明するニャ!!」
す・・・すみません^^;
インジケーターの関数の1つに
MACD(Moving Average Convergence Divergence)
(移動平均収束拡散法)があります。
MACDは、マクドナルドの頭文字をとった
・・・ではなく、
Moving Average Convergence Divergence
の頭文字をとった略です(笑)
MACDは、アメリカの投資顧問会社
シグナラート・コーポレーション社
の経営者であり、運用も行っていた
ジェラルド・アペル(Gerald Appel)氏
により、1970年代に開発されたテクニカル
指標です。
MACDは、トレンドの拡大や収束を判断したり、
現在の状態が買われすぎなのか、あるいは
売られすぎなのかを確認することもできます。
MACDは、MT4のMetaEditorでEAを作成する際、
特に売買条件を作る時よく使うインジケーター
の関数の1つです。
そこで、このMACDを使うことに慣れるため、
バックテストをしたときに操作履歴へMACDを
用いた文章が出力されるようにプログラム
するのが今回の目的です。
まず、MetaEditorを起動しましょう。
MT4のMetaEditorでEAを作るための初期設定
(4) MetaEditorのEAプログラム画面の表示
で、名前をExperts\MACDとしてEAプログラム
のひな型を表示させてください。
おさらいですが、プログラムのルール
として以下2つを覚えておいて下さい。
◆プログラムするときには、半角英数で入力
(全角ではエラーが発生します)
◆文末には;(セミコロン)をつけます。
日本語で言うと。(句点)のようなものです。
ただし、日本語の句点はなくても意味が
通じますが、プログラムのセミコロンは
ないとエラーが発生します。
エラーが発生しないように覚えておきましょう。
それでは、EAプログラムのメイン記述場所
void OnTick()
{
}
の{ }内に実行したいプログラムを
書き込みます。
今回は、
string a;
double b;
string c;
a = "このサイコロに全てを賭ける!サイコロの目は・・・「";
b = iMACD(NULL,0,12,26,9,PRICE_CLOSE,MODE_MAIN,0) / iMACD(NULL,0,12,26,9,PRICE_CLOSE,MODE_MAIN,0);
c = "」";
Print(a,b,c);
と入力します。
プログラムするときには、半角英数で入力
(全角ではエラーが発生します)とお伝え
しましたが、" "の中に文字を入れる場合は
例外で全角日本語も入れられます。
PrintのPは大文字ですのでお気を付け
下さいね。
iMACDのiは小文字ですのでご注意ください。
行間は見やすいため項目の種類ごとに
空けていますが、詰めてしまっても
構いません。
見やすくするため=と/の両端に半角スペース
を空けていますが、詰めてしまってもOKです。
string、doubleの右側の半角スペース
は詰めると異なる意味になってしまうので
詰めないで下さい。
//---はコメントで、あってもなくとも
構いませんから、void OnTick()内の
コメントを今回は消しました。
段落の字下げ数に決まりは特にありませんが
左字詰めで入力した一番左にカーソルを合わせ、
Tabキーを1回押して字下げすると綺麗に見えます。
内容を解説します。
1行目~3行目
string a;
double b;
string c;
のうち、a,b,cはそれぞれ「変数」です。
以前、解説しましたね。
変数は「数字や文字を入れる箱」のような
ものだと考えて下さい。
ここでは変数をa,b,cにしていますが、他の文字
例えばabc,def,ghiなどにすることもできます。
string、doubleは、「データ型」という箱の種類
のようなものです。
stringは「文字列」、doubleは「小数点付きの数字」
を箱の中に入れる場合に使います。
4行目~6行目
a = "このサイコロに全てを賭ける!サイコロの目は・・・「";
b = iMACD(NULL,0,12,26,9,PRICE_CLOSE,MODE_MAIN,0) / iMACD(NULL,0,12,26,9,PRICE_CLOSE,MODE_MAIN,0);
c = "」";
変数a,cには文字列、変数bには小数点付きの数字
が入れられます。
変数 イコール 文字列または小数点付きの数字
の順です。
文字列は" "で囲みます。
小数点付きの数字は上記のように関数同士の
割り算でも良いです。
iMACD()は、MACD(移動平均収束拡散法)
(Moving Average Convergence Divergence)
の関数です。
Print()などと同様です。
インジケーターの関数は、頭にiが付きます。
()の中に特定のルールに沿ってデータを
入れると、ボリンジャーバンドのデータを
算出してくれます。
このデータは、以前お伝えした以下の技で
見ることができます。
MetaEditorの知らないと損する7つの技
1. 関数リファレンスを見る技
または、こちらも以前お伝えした
MT4のFX自動売買(EA)の作成を便利にする4つの方法
2. メタシス・シーカー(無料)
の以下のページでも確認できます。
MACD(Moving Average Convergence and Divergence)【iMACD】
iMACDですと以下のようなデータが確認できます。
頭にdoubleが付いているのは、iMACDが小数で
表示される関数だということです。
double iMACD(string symbol, int timeframe, int fast_ema_period, int slow_ema_period, int signal_period, int applied_price, int mode, int shift)
()内のデータを1つずつ解説していきますね。
string symbol
計算に用いる通貨ペアを記入します。
頭にstringが付いているので、文字列で記入
するということです。
基本的に、選択された通貨ペアで計算する
NULLを記入しておけば良いです。
個別に指定したい場合は、
EURUSD
などのように書きます。
また、通貨ペアの語尾に.(ピリオド)や
_ecnが付くFX業者の場合は、
EURUSD.
EURUSD_ecn
などのように書きます。
int timeframe
計算に用いる時間足を記入します。
頭にintが付いているので、整数で記入
するということです。
基本的に、選択された時間足で計算する
0を記入しておけば良いです。
個別に指定したい場合は、
1
5
15
30
60
240
1440
10080
43200
のように書きます。
また、整数で記入とありますが
M1
M5
M15
M30
H1
H4
D1
W1
MN
と書いてもそれぞれ上記と同じ意味になります。
この書き方をしてもプログラムで計算される
際は自動で上記の整数に変換される仕組みです。
それぞれ上から
1分足
5分足
15分足
30分足
1時間足
4時間足
日足
週足
月足
を指定しています。
int fast_ema_period
計算に用いる短期EMA(指数移動平均線)の
期間を記入します。
頭にintが付いているので、整数で記入
するということです。
デフォルトでは12です。
int slow_ema_period
計算に用いる長期EMA(指数移動平均線)の
期間を記入します。
頭にintが付いているので、整数で記入
するということです。
デフォルトでは26です。
int signal_period
計算に用いるシグナルの期間を記入します。
頭にintが付いているので、整数で記入
するということです。
デフォルトでは9です。
int applied_price
始値、高値、安値、終値など、どのデータを
用いるか選択します。
頭にintが付いているので、整数で記入
するということです。
データの種類は以下7種です。
終値
始値
高値
安値
中央値、(高値+安値)÷2
代表値、(高値+安値+終値)÷3
加重終値、(高値+安値+終値+終値)÷4
それぞれ
0 または PRICE_CLOSE
1 または PRICE_OPEN
2 または PRICE_HIGH
3 または PRICE_LOW
4 または PRICE_MEDIAN
5 または PRICE_TYPICAL
6 または PRICE_WEIGHTED
と入力します。
整数で記入とありますが、右側の書き方を
してもプログラムで計算される際は自動で
左側の整数に変換される仕組みです。
int mode
MACDのメインの線とシグナルの線
どちらの値を使うか指定します。
頭にintが付いているので、整数で記入
するということです。
メインの線を指定したい場合
0 または MODE_MAIN
シグナルの線を指定したい場合
1 または MODE_SIGNAL
と入力します。
整数で記入とありますが、右側の書き方を
してもプログラムで計算される際は自動で
左側の整数に変換される仕組みです。
int shift
何本前のローソク足を基準にデータを
取得するか指定します。
頭にintが付いているので、整数で記入
するということです。
0ならば現在のローソク足を基準
1ならば1つ前のローソク足を基準
5ならば5つ前のローソク足を基準
にデータを取得します。
つまり、例えば1時間足を使っている場合は
0ならば現在のローソク足を基準
1ならば1時間前のローソク足を基準
5ならば5時間前のローソク足を基準
にデータを取得します。
「fast_ema_period」「slow_ema_period」「signal_period」
が新しく出てきましたが、それ以外は以前学んだ
iMAやiRSI、iBandsとほとんど同じでしたね。
少々複雑ですが、ほとんどの関数は似たような形式
ですので、一度理解すれば大抵の関数が使えます。
7行目
Print(a,b,c);
以前も使ったPrint関数です。
変数aとbとcの間に,(カンマ)を打つと、
a,b,cの中に入っている文字列と小数点付きの数字
が順に並んで出力されます。
上記でaには
このサイコロに全てを賭ける!サイコロの目は・・・「
を入れました。
上記でbには同じMACD関数同士の割り算の
計算結果を入れました。
つまりbには
1.0
が入っています。
上記でcには
」
を入れました。
したがって、表示されるときには、
このサイコロに全てを賭ける!サイコロの目は・・・「1.0」
と表示されます。
入力が終わったら、コンパイルします。
MetaEditor上部の「コンパイル」ボタンを
左クリックしましょう。
次に、エラーが発生していないことを下部の
エラータブで確認して下さい。
0 error(s), 0 warning(s)
と表示されていれば、無事コンパイル完了
です。
エラーが出た場合は、全角で入力されたか、
;(セミコロン)を付け忘れたかである
可能性が高いです。
直したら再びコンパイルしましょう。
コンパイルが成功した時点で、今まで
作っていたmq4ファイルもEA稼動に必要な
ex4ファイルも自動保存されますので、
手動で保存する必要はありません。
ただ、コンパイルしなければ自動保存
されませんので、mq4ファイルでプログラム
を書いていて作業を中断する場合は
ファイル → 名前を付けて保存
から手動で保存しておきましょう。
(3) ポテト争奪プログラム実行
作成したポテト争奪プログラムをバックテスト
で実行し、動作確認してみます。
MetaEditorを閉じて、MT4を開きましょう。
MT4ツールバーの「Strategy Tester」ボタン
をクリックします。
すると、MT4の下部に「テスター」ウィンドウ
が表示されます。
エキスパートアドバイザーに、作成した
「MACD」というEAが入っていますので、
それを選んでください。
バックテストをしたときに、操作履歴に
ひたすら出た目が並ぶだけのプログラム
ですので、日付と時間を使用は、時間短縮
のために短い期間で良いです。
ただし、土日は相場が動かないので
土日のみの期間を選択するとエラーが
起きることにご注意くださいね。
それ以外の設定は何でも良いです。
準備ができたら、スタートを左クリックして
バックテストを開始してください。
今回は、売買をするシステムではないので、
レポートタブなどには何も出ません。
レポートタブの横の操作履歴タブを選択して
ください。
メッセージの一番右端のところに
このサイコロに全てを賭ける!サイコロの目は・・・「1.0」
が表示されていますね。
にゃんこ「な、なぜだニャ!?
なぜにゃんこのときだけ1しか出ないニャ!
そして、ご主人さまのときだけ6ばかり。」
にゃんこ「さては・・・イカサマしてるニャ!」
裕-ひろ「残念、こんなこともあろうかとサイコロの目
を狙って出せるように練習していただけでした♪
イカサマじゃないんだな♪」
にゃんこ「才能の無駄使いだニャ^^;
そんなにポテトが食べたかったなら
始めから2つ買えば良かったんじゃ・・・^^;」
裕-ひろ「・・・(*´ω`*)」
にゃんこ「・・・(*´ω`*)」
裕-ひろ「ポテト買いに行こっか。」
にゃんこ「うん~。」
以上で今回のプログラミングは終了です。
MACDの関数がなんだか掴めたでしょうか?
今後、EAの売買条件を作るとき頻繁にMACDの関数
を用いますので、覚えておいてくださいね。
P.S.
マクドナルドのフライドポテトは、人間も猫も大好物です~。
(=´∀`)人(´∀`=)
なお、残念ながら、EA作成に関しては
個別のご質問にはお答えしかねます。
ご存知の通り、有料のサポート付きEA作成教材
では、1ヶ月講座で週1回までのサポートでも
8万円ぐらい掛かるのが相場だったりします^^;
大変心苦しいのですが、あらかじめご理解
のほどよろしくお願い致します。
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